フレームワーク大全原典と根拠を確かめた解説

根拠 弱確認日 2026-10-18

ロジックツリー・MECE

まず知る

使い方(手順と記入例)

手順

  1. 解きたい問いを1文で書き、本当にその問いでよいかを一度見直す(ここがずれると、あとの分解が全部むだになる)。
  2. その問いを1つの切り口で2〜4つに分け、「重なりがない(ダブりなし)・全部そろっている(モレなし)」かを確かめる(この状態を MECE〈ミーシー〉と呼ぶ)。
  3. 大きそうな枝だけを、同じやり方でさらに分ける(全部の枝を深く分けなくてよい)。
  4. いちばん下の項目に数字か「何で確かめるか」を書き、いちばん効きそうな枝を1つ選んで次の行動を書く。

記入例

架空の場面:入社2年目のDさんの月の残業が、先月より20時間増えた。

  • ①問い:最初は「どうすれば早く帰れるか」と書いたが、広すぎるので「増えた20時間は、どの仕事から来ているか」に書き直した。
  • ②第1階層(切り口:仕事の種類):会議/資料づくり/メール対応/その他。ダブりの確認で、「会議用の資料づくり」は資料づくりに入れると決めた。モレの確認で、先月の予定表の仕事を1つずつ当てはめ、どこにも入らないものがないかを見た。
  • ③さらに分ける:資料づくりが+12時間と一番大きかったので、「新しく作る」と「直し」に分けた。直しが+9時間だった。
  • ④数字と行動:直しは1つの資料につき平均3回。「作り始める前に、上司と5分だけ中身の順番を確認する」を来週から試すと決めた。

できたかの目安

  • いちばん下の項目に数字か確かめ方が付き、「次に何をするか」が1つ決まっていれば使えている。きれいな木が描けただけで行動が決まっていなければ未完成。

なぜ効くか(短く)

大きな問いをそのまま考えると、目立つ原因に飛びついたり、見落としが出たりしがちです。先に分け方を決めて木の形にすると、どこに抜けや重なりがあるかが目に見えやすくなります。ただしこれは実務の経験則で、効果を直接確かめた研究は今回見つかっておらず、完璧な MECE を目指すと手が止まる、という批判もあります。英国政府の研修資料も、最初の問いを間違えると「間違った木に向かって吠える」ことになると注意しています(出典: https://assets.publishing.service.gov.uk/media/5a816cd1e5274a2e8ab53eb1/Issue_Trees.pdf)。

根拠の強さと限界

弱(経験則・実務の標準技法)。

使われた例(組織自身の公表と、研究・参考・手引きを分けて)

① 組織自身が使ったと公表した例(数えるのはここだけ)

  1. Barbara Minto 本人/McKinsey(1963–73、以後は自身の研修): 在籍中にピラミッド型の文書指導を社内講座化し、退職後も教え続けたと本人が語る。MECE を「重ならず漏れない」グルーピングの原則として使用。出典: https://karriere.mckinsey.de/alumni/news-and-events/global-news/alumni-news/barbara-minto-mece-i-invented-it-so-i-get-to-say-how-to-pronounce-it (成果の数値は記載なし)
  • 日本の組織の公的文書での使用例は今回の調査で見つからず。

② 研究・評価として公表された試行/研究報告における実施例

  • なし(確認できた範囲で)。

③ 近縁実践・参考例(原典との対応未確認)

  • なし(確認できた範囲で)。

④ 手引き・解説(使用実績ではない)

  1. 英国政府(GOV.UK 公開の研修資料「Implementation Insights: Using Issues Trees」): 政策目標を答えられる小さな問いへ分解する手順として issue tree を使い、規則2として「MECE にする」を明示。例題は架空の「魔法省」で、実績データはない。作成年はPDFメタデータ上2015年5月(発行部署は本文に明記なし)。出典: https://assets.publishing.service.gov.uk/media/5a816cd1e5274a2e8ab53eb1/Issue_Trees.pdf【架空の例題を使った研修資料で、使用実績の公表ではないため④に置いた】
  2. 齋藤嘉則(元McKinsey、ビジネスコラボレーション代表)『問題解決プロフェッショナル 思考と技術』新版(ダイヤモンド社、2010年4月): 自身の問題解決研修の内容として、技術編に MECE とロジックツリーを章立てし、原因分析・解決策立案に使うと説明。出版社公式ページの目次・著者略歴による。出典: https://www.diamond.co.jp/book/9784478005538.html (使用の成果は記載なし)【著者の書籍(研修内容の解説)で、組織の使用実績ではないため④に置いた】
  3. ミント『考える技術・書く技術』日本語版(山崎康司訳、ダイヤモンド社、初版1995年4月): 紹介文で McKinsey など主要コンサル会社や複数の大企業でライティング研修を担当してきた旨が書かれている(出版社側の紹介)。出典: https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784478490198【出版社側の紹介文で、使用実績の公表ではないため④に置いた】

まとめ: 組織自身が使ったと公表した例は1件(McKinsey の卒業生向けサイトでの Minto 本人の回想)。英国政府の研修資料、齋藤氏の書籍、ミント日本語版の紹介文は④(手引き・解説)。

うまくいかなかった例と批判

原典を読む

  • バーバラ・ミント(山崎康司訳)『考える技術・書く技術 説得力を高めるピラミッド原則』ダイヤモンド社、1995年4月、ISBN 978-4-478-49019-8(版元ドットコムで実在確認。現在入手可否は未確認)。第2部「考える技術」に問題解決のプロセスあり。
  • 齋藤嘉則『新版 問題解決プロフェッショナル 思考と技術』ダイヤモンド社、2010年、ISBN 978-4-478-00553-8(出版社公式ページで確認)。MECE とロジックツリーの実践入門。
  • 原書: Barbara Minto, *The Minto Pyramid Principle*(1996、書誌は上記記事で確認、書籍は未開封)。
原典で確かめたこと

出典

  1. https://karriere.mckinsey.de/alumni/news-and-events/global-news/alumni-news/barbara-minto-mece-i-invented-it-so-i-get-to-say-how-to-pronounce-it
  2. https://en.wikipedia.org/wiki/MECE_principle
  3. https://en.wikipedia.org/wiki/Barbara_Minto
  4. https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784478490198
  5. https://www.diamond.co.jp/book/9784478005538.html
  6. https://assets.publishing.service.gov.uk/media/5a816cd1e5274a2e8ab53eb1/Issue_Trees.pdf

記入テンプレを準備しています

このフレームワークを、仕事の場面でそのまま使えるシートにまとめています。欲しいものを1つ選んでください。

試作中のため、選んだ結果はこの端末の中だけに記録されます。外部には送られません。